その夜以降、カタリナは船の中でポールとゆっくり話す機会は殆どなかった。船上でたまに見かけても、すっかり見張り付きとなってしまったポールはあくせくと仕事をこなしているだけだったからだ。
カタリナはあの夜は殆ど眠れずにポールから聞いたモニカの婚約話のことについて思いをはせていたが、なんにせよ今自分が考えたところで仕方がないことであるという結論に至り、あとは気を紛らわせようと只管読書に集中した。そういう意味ではトーマスから借りた経済書は大いに役に立ってくれた。何せ読解が困難であるので、嫌でも思考をそこに集中せざるを得ないからだ。
逆に園芸書は、どうしても読む気にはなれなかった。否がおうにも、同じく花を育てていたモニカのことを思い出してしまうからだ。
経済書に疲れたらサラから借りた小説に耽り、どこかミカエルと似た意思をもつ主人公たる皇帝たちの物語を読み解いていく。
そうしているうちに船は順調に航海を続け、いよいよ予定通りのツヴァイク到着日となった。
「あれがツヴァイク・・・か」
太陽が南中を少し過ぎたころ、甲板に立ったカタリナは既に視認できるその町並みをゆっくりと眺めていた。彼女自身は一度も訪れたことがない地であるが、モニカの話を聞いたあとではなお一層、カタリナはこの町のことが好きになれそうにはない。
船がゆっくりと進む先には大小さまざまな船が停泊している大きな港が設置されており、それはピドナで抱いた感想と同じく、ミュルスの比ではないものだ。確かに国力面での規模の大きさをうかがわせた。
「いやー、漸く到着だな」
いつの間にやらポールが、カタリナの隣で同じようにツヴァイクの町並みを眺めている。
「あら、もうお仕事は大丈夫なの?」
冷やかすようにカタリナが話しかけると、ポールは冷や汗をたらしながら肩をすくめた。
「あぁ、船の中での仕事は大体終わってるけど・・・これから最後の荷下ろしが待ってるのさ。出来ることなら、上陸と同時に逃げ出したいくらいだ」
いつもの調子で軽口を叩くポールに笑い返しながら、カタリナは気を引き締めるように頬を叩いた。今は兎に角、マスカレイドを探すことに集中しなければいけない。いくら彼女がモニカのことに思いをはせたところで、そもそもカタリナは今のままではロアーヌに帰ることすらできないのだから。
「そういや肝心なことを聞いていなかったけれど、カタリナさんさ」
思い出したように、ポールが口を開く。それに反応してカタリナが向き直ると、ポールはぽりぽりと頬を書きながら続けた。
「いや、これからどこに行くのかな、って」
「あぁ、そのこと・・・」
そこでカタリナは、ふと思い至った。自分の行程はランスまでだが、その道のりはなにせ未経験の土地だ。途中までとはいえこのポールも帰郷の途中であるのなら、道案内くらいは頼んだらしてくれるかもしれないと思ったのだ。
「ねぇポール。貴方こそツヴァイクについたら、すぐにキドラントに戻るの?」
「ん・・・、あぁ、そのつもりだよ」
逆に聞き返されたことに疑問符を浮かべながらも、ポールは素直に応えてきた。思ったとおりである。
「そう・・・なら、私もそのキドラントまで、案内してくれないかしら。私の目的地はランスなのだけれど、キドラントから北海を渡って行こうと思っているの」
カタリナがそう言うと、何故かポールは瞳を輝かせた。
「お、本当かい!もちろんさ。是非ともやらせてくれよ」
すっかり喜んだ様子のポールには逆に面食らわされたカタリナだったが、まぁとにかくこれで水先案内人をタダで雇えたのだからよしと思うことにした。
「もう既に昼過ぎだから、一泊して明日の朝出発でいいかしら?」
「おうさ。じゃあそうだな・・・港に下りて適当に宿をとったら、メインストリートにあるツヴァイクホールっていうパブで待っていてくれよ。俺も荷下ろしが終わったらすぐ行くからさ」
「わかったわ。じゃあそこで落ち合いましょう。お仕事、頑張ってね」
そろそろポールお抱えの見張りの視線が厳しくなるころだ。案の定カタリナが後ろを振り向くと、例の筋肉質の船員がばっちりとこちらのほうを観察している。それにポールも気が付いたのかとてもいやそうな顔をするが、しずしずとそちらに向かって歩き出した。
「あぁやだやだ・・・。じゃあ、あとでな!」
「ええ、まってるわよ」
船室の中へ入っていくポールを見送ったあと、カタリナは港に停泊するまで、甲板からツヴァイクの町並みを見続けていた。
港に船が止まってすぐ町に降り立ったカタリナは、メインストリートを少し眺めてからすぐに裏道に回って安宿を取った。ポールに指定されたツヴァイクホールというパブはこの時点で既に確認済みだ。
だがカタリナはすぐさまそこには向かわずに、街中を探索することにした。カタリナが乗ってきた船は割りと大型船なので、ポールの仕事はしばらくかかるだろう。それを見越してのことだ。
時間はかなり有り余っていた。とりあえずは途中で折れ曲がったメインストリートに戻り、露店を冷やかしつつ北を目指すことにする。
すると早速かなり作りのしっかりした武具店を発見し、意気揚々と物色しに入ってみた。
(ふぅん・・・これが本場のツヴァイハンダーか・・・)
展示されていた大剣を手に取り、縦にしたり横にしたりしながら、品定めをする。この剣はツヴァイク地方の特産の両手剣だ。扱う武器では一番大剣を愛用しているカタリナとしては、この街である意味一番気になる品といえた。
(ちょっと重さが私には合わないかしら・・・確かに他の町で扱っているものより、いい品なんだけどね)
カタリナは腰に大小の剣と、そして背中にしっかりと大剣を背負っている。すべてノーラお手製のカタリナカスタムだ。頂戴してからどれも練習で多少扱ってみたが、驚くほど自分の手にフィットする代物ばかりだった。
リハビリがてらレオナルド工房の前の広場でノーラに色々な剣を渡されながら素振りを繰り返し、結果をみたノーラが作成したものである。
「おや、女性の戦士さんですか、珍しいですね。どうですか、うちのそいつは。いい品でしょう。ツヴァイク武器工房が世界に誇る一品ですよ」
ツヴァイハンダーの品定めをしていると、店主が話しかけてきた。それににこやかに応えながらも、ツヴァイハンダーを元の棚に立てかける。
「ええ、いい品ね。でも私には少し重いみたい。また寄らせてもらうわ」
セールストークを展開される前に早々に退散することにしたカタリナは、続けてメインストリートを北上し、しばらくして巨大な建物の前まで来た。
(これが・・・・例のコロシアムってやつね)
その建物の前は、大勢の人で大そうな賑やかさだった。なんでも話に聞く限りでは領主たるツヴァイク公が観賞する以外に、日夜剣闘士たちの勝敗をめぐって住民の多くがギャンブルに興じているのだという。
(ふん・・・・暢気なものよね・・・・)
コロシアムの前に集まる人々を冷めた目つきで流し見たカタリナは、気分が悪くなる前に立ち去ることにした。気が付けば、もう結構な時間が経っている。流石に北方の最大都市だけあって、歩き回るだけでも苦労するほど大きな町だ。しかし、まだ他にも行っていない場所は多いが、これ以上カタリナはこの町を歩き回る気にはなれなかった。
まだ流石に早いとは思ったが、先にポールとの待ち合わせ場所に向かうことにする。
そうと決めたら、さっさと来た道を戻っていく。すると数分後には、昼間っから騒がしさが外まで漏れ聞こえてくるそのパブにたどり着いた。入り口をくぐると、多くの人がその場で談笑している。
「へぇ、あの剣闘士が勝ったのか!」
「地獄の壁はやっぱ強すぎるぜ」
「さっきの勝負は熱かったな!」
漏れ聞こえてくる会話の内容は、カタリナにとってはどれもくだらないものばかりだ。カタリナはそんな客達の間をすり抜け、幸いにして席が空いていたカウンターへと腰掛ける。とりあえず気を紛らわせるために、折角だからと思いビールをオーダーして飲み始めた。
流石はビールの本場、ツヴァイクである。この味はロアーヌでもピドナでも一度も味わったことがない。精々ピドナに持ち帰る土産話としてはこれくらいだろうか、と思いながらしばらくは色々な種類のビールが書かれたメニューを眺める。
しかしそれも長くは続かず早々にして手持ち無沙汰になったカタリナは、メニューから目を放すと今度はそれとなく周囲を観察した。
相変わらずの喧騒を繰り返す飲み客に、あとは幾人か、武装をしたものもいる。コロシアムの剣闘士は囚人以外に一般でも受け付けているらしく、それ目的で流れてきた者たちだろう。
その身に携えている得物は種類も様々だが、見るからに粗悪品と思われるものが多い。良い武器を見慣れているカタリナからすれば、自分ならあんな武器で戦いたくはないと思うものばかりだった。
中には弓を携えたものもおり、これはコロシアムの剣闘士ではなくこの周辺地域の狩りで生計を立てているハンターだろうか。
そうしてテーブル席を見終えて次にふと自分の近くのカウンター席に目を向けると、そこには自分と同じように周囲の喧騒と人種の違いに引っ込んできたと思われる商人風情の男が二人で座っていた。喧騒の中とはいえ、近い席にいるのでその二人の話はカタリナにまで聞こえてくる。時間をもてあましていたカタリナは、何気なくその内容に耳を傾けた。
「お前のほうは、北からはどうだ?」
「それがな・・・入ってきても、雀の涙さ。参ったな・・・・五日後までには武器工房に500キロ分の鉄を入れなきゃいけないんだが・・・」
「こっちもさ・・・。今日も工芸品と楽器の買い付けが遅いって宮廷のお役人にグチグチいわれたが、職人から反応がないんじゃあ俺だってお手上げだっつーのに・・・」
カタリナの耳に飛び込んできたのは、どうやら景気の悪い話のようだった。だが周囲のくだらない喧騒よりはまだカンパニー社長としての一面も持つカタリナとしては興味がある話だったので、もう少し耳を傾けることにする。
「お前、自前じゃ間に合わないってんで親元のキャラバンに頼んだんだろ?昨日帰ってくるの見たけど、そん時キャラバンの連中はなんていってたんだ?」
「あぁ・・・なんだか薄気味の悪い話だったぜ。なんでも採掘現場近くの洞窟に性質の悪い魔物が住み着いて、いけにえを要求しているんだそうだ。町も流石にそれを抱えたままじゃ生産も成り立たなくて暮らしが出来ないってんで、それに応じるらしい」
なにやら、話の雲行きが怪しくなってきた。カタリナは注意深く、感づかれないようにさりげなくグラスを傾けながら聞き入る。
「マジかよ・・・。道理でノエルさんヴィルジニーさんも、仕事に手がつかないわけだな・・・」
「ちっさなとこだからな、顔見知りの中からいけにえを出すなんていったら、その辺はナイーブにもなるだろ。ヴィルジニーさんなら俺も顔見知りだが、やっぱかなり気にしてるっぽいぜ」
商人達が話しているのは、職人の名前だろう。ノエルという名前はカタリナも多少耳にしたことがあった。たしか、楽器職人として有名な人物だ。カタリナが楽を奏でるときに愛用していたリュートも、確かその職人の作だった。
「いけにえったって、一体誰が・・・?まさかあそこの強欲町長か?」
「まさか。ありゃ最後の一人まで生き続けるクチだろ。んでいけにえに選ばれたのなんだが・・・それがな、どうやらニーナちゃんらしい」
ニーナ、という言葉を聞いた瞬間、がたん、と椅子を跳ね除けながらカタリナが立ち上がった。
(ニーナって確か、ポールのガールフレンドの名前!・・北の町って、キドラントのこと?・・・いけにえということは、それってつまり、ニーナちゃんの命が危険であるってこと・・・・?)
一瞬の間に、カタリナの脳内で色々な情報が飛び回る。ニーナという名前は別段珍しい名前でもないので普段ならば別人であることも考えられるが、ここから北の町のニーナとなれば、流石に別人とは考え難い。
突然のことに商人二人はカタリナに振り向き、周囲のテーブル客も同じくカタリナに目を向ける。だが、カタリナはそんなことを気にするつもりなどは毛頭なく、商人達に詰め寄った。
「貴方達が言っているのって、キドラントのニーナちゃん!?」
カタリナの剣幕に圧されたのか驚いて閉口していた商人だったが、数秒待って漸く口を開いた。
「あ、あぁ。そうだが・・・あんた、ニーナちゃんを知ってるのか?」
聴いた瞬間、カタリナはビール代をカウンターに叩きつけてホールを飛び出していった。後に残された商人と会話を断ち切られた客たちは、呆然とそれを見送るのみであった。
港まで一気に駆け抜けたカタリナは、自分が乗っていた船を見つけると足を止めずに駆け寄った。あの規模の客船の荷降ろしと倉庫運びはそんなに短時間で終わる作業ではないだろうから、まだポールはこの近くにいるはずだ。
(昨日ここにたどり着いたキャラバンの話でいけにえの話が出たってことは、おおよその距離から考えればそれが馬車でも少なくともそこから二日は前の話のはず・・・。最短でも、もう既に三日が経っている・・・)
駆けながら、小耳に挟んだだけの情報から状況を整理していく。
すぐにあの酒場を出たのは、失策だったか。ひょっとしたら、もうすこしくらいは商人から情報を引き出せたかもしれない。だが今となってはもう引き返すわけにも行かないし、そもそも今の時点で最悪の結果は考えたくない。ここは無事を祈って一秒でも早く、キドラントに辿り着くのが先決だ。
(性質の悪い魔物っていうのがいつ現れたのかは分からないけれど、この事態が現在の仕入れに影響しているのならば、まだここ最近の話のはず・・・。そしてあの口ぶりからしたら、三日前の時点では恐らくまだニーナちゃんは無事であると考えられる・・・・。馬車・・・・いえ、このくらいの町ならお抱えの牧場が何処かにあるはずだから馬を買って止まらず走れば、一日でつけるか・・・?)
船にたどり着いて周辺を見渡し、忙しなく動き回る作業員の群れを見つけるとカタリナはそこに駆け寄った。程なくしてその中に、面倒くさそうな表情で作業を続けるポールの姿を捉える。
駆け寄ってくるカタリナを見つけると、ポールはきょとんとした表情で向き直った。
「お?どうしたんだ?さては俺を待ち切れ・・・」
「今すぐキドラントにいくわよ!ニーナちゃんが危ない!」
ポールの言葉を遮り、叫ぶようにしてカタリナが言った。その言葉を聞いた瞬間に、ポールは手にしていた箱を落とす。地面に落ちたそれは内部で何かが砕ける音がしたが、今のポールにはそんなことを気にしている余裕はなかった。
「ど・・・どういうことだ?」
「あまり詳しいことは私にも分からない。でも兎に角、ニーナちゃんが危険な状況にあるらしいの!行くわよ!」
そういうとカタリナは、ポールの手をとって駆け出した。ポールも最初は引っ張られるような格好だったが、すぐにしっかりと自分で足を動かし始める。背後からお目付け役の船員の怒声が聞こえてくるが、それに構っている余裕などはなかった。
「ポール、ここの牧場はどこ!?馬が売っているだろうから、それを買って走り抜けるわよ!」
「牧場はこっちだ!馬は買わずとも経営者とは知り合いだから、話せば貸してもらえるはずだ!」
それまでは手を引かれていたポールだったが、今度は先行して走り出す。
街を東へと抜けながら、簡単にカタリナが聞き及んだ情報をポールに話して聞かせた。走りながらそれを聞いていたポールはみるみるうちに顔面が蒼白になり、次には歯を食いしばりながらこの事態を呪うように呪詛を吐く。だが今は、悠長に嘆いている場合ではない。
しばらく走っていくと、やがて道の先に牧場が見えてきた。
「私、宿においてきた荷物をとってくるわ。ポールは馬が用意できたら町の出口でまってて。すぐいくから。東の出口でいい?」
「いや、北にまわろう!ほぼ直線で山間を抜ける道を知っているから、そこをいく。北門で合流だ」
ポールの言葉に頷くと、カタリナは先にとっておいた宿へと駆け戻っていった。狭い路地裏を駆け抜け、慣れない町ながらも方向感覚と見覚えのある景色だけを頼りに、宿へと戻っていく。
宿のキャンセル料を払って自室においていた荷物を手に取ると、カタリナは周囲の看板を頼りに急いで町の北門へと向かった。
先ほどまでは青かった空が、今はもうオレンジに染め上げられている。この分だと後1,2時間もしないうちに、空は闇色へと姿を変えるだろう。焦る気持ちと裏腹に、時間は刻一刻と過ぎていた。
(いけにえを要求する魔物だなんて、今まで聞いたこともない・・・。確かに魔物は基本的に雑食だし人間も襲うけれど、そもそも人里は避けて生活していることが殆どだし・・・。私がロアーヌ宮廷で遭遇したような、知性を持った魔物なの・・・?)
そんなことを考えながら北門にたどり着くと、そこには既にポールが馬を二頭従えてまっていた。
「ごめん、待たせたわ」
「気にすんな。いこうぜ」
すぐに門を潜ると、カタリナは荷を馬に括りつけ始めた。抱えながらではとてもじゃないが早くは走れないからだ。
「ほい、これ」
丁度荷物を括りつけ終えたカタリナは、ポールが投げてよこしたものを慌てて受け取る。それは、毛皮で作られたベストだった。品が新しいところを見ると、カタリナが宿に戻っている間に買い求めたのだろう。
「このあたりの夜は結構冷えるぜ。温暖なヨルド海の東西沿岸とはワケが違う。鎧の下に着込むといい」
今はそんな時間も惜しいところだったが、土地の知識がないカタリナはポールに従うことにした。レザー製のアーマーを外すと、もそもそとベストを着込む。若干ごわごわとした感触があるが、確かに保温性は抜群のようだ。
「うぅん・・・カタリナさんは鎧もドレスも似合うけど、普段着も見てみたいな」
その一連の様子を見ながら、ポールが軽口をたたく。こんな時であるというのにその様子であるので一瞬むっとしたカタリナだったが、その表情には自分以上に焦りの様子が現れているのを感じ取ったので、それを咎めることはしなかった。恐らく、この男なりに平静を保つための手段なのだろう。軟派なようで、意外と不器用な男のようだ。
「・・・そうね、少なくとも貴方が正装するよりはマシに見えるかもね!」
そういいながら再度アーマーを着用し終えたカタリナは、馬に跨った。
「先行して頂戴。ついていくわ」
「あぁ。飛ばすぜ・・・!」
馬術には長けているのだろうか、慣れた手つきでポールは手綱を引き上げ、馬の横っ腹を蹴り上げる。拍車をかけられて一気に駆け出したポールの馬を目で追いながら、カタリナもすぐさまそれについていった。