ロマンシングサガ3 カタリナ編 第二章2

 

「うまっ!?」

 

 第一声は、それであった。それ以外の言葉が思いつかなかったのだ。

 かつて無い奇妙な面子で食卓を囲む。広いテーブルの上には焼きたてのパンに手の込んだ色とりどりのサラダ、そして芳しい香りを放つメインディッシュの数々。

 

「これ・・・本当にトーマスとシャールさんで作ったの?凄く美味しい!」

「お褒めに預かり光栄です。魔王殿でも言いましたが、料理から戦闘から全て祖父に仕込まれましたからね。未だ祖父には敵いませんが、なかなか腕は上達したつもりですよ。シャール様が前菜関係を手がけてくれたので、メインディッシュに集中できたのも助かりましたしね」

 

 勢いよく食べるカタリナをにこやかに見ながら、トーマスが喋る。

カタリナが何故か上座に座らされ、そこから円形にトーマス、シャール、ミューズ、ノーラ、サラが座って皆で食事をしていた。

 

「私も昔でこそ料理はからっきしだったが、何分ミューズ様はその私のさらに上をいっていてな。必然的に上達したのだ」

 

 冗談めかしてシャールも口を開く。するとパンをちぎっていたミューズが若干赤面しながら抗議の声を上げた。

 

「シャール・・・そういうことは言わなくていいのっ」

 

 料理などはとても上手そうに見えるが、意外にもミューズは苦手なようだ。すみませんと朗らかに笑いながら謝るシャールの横で、ノーラもカタリナに負けじと目の前の食事の制覇にかかっていた。

 

「いや、でも男二人がこんなに料理が上手いなんてね。ケーンにも見習わせたいわ」

「ケーンって、工房にいたあの男の人ですよね・・・?呼んでこなくてよかったんですか?」

 

 サラがそう伺うと、ノーラは手にしたフォークを振りながら答える。

 

「いいのいいの。あいつはまだまだ職人として駆け出しだからね。一秒でも惜しんで工房に居るほうがちょっとは上達するでしょ」

 

 どうも一連の騒動の後でレオナルド工房に連絡を取ってくれたのがサラらしく、ノーラとサラは妙に仲がよかった。ノーラも快活な性格なので、どこかエレンと似た雰囲気がある。その辺りも影響しているのかもしれない。

 

「しかし・・・このようなメンバーに料理を振舞うことになるとは、私も思いませんでしたよ。皆さんのお口に合うといいのですが」

 

 シャールお手製のサラダをつまみながらトーマスが皆の顔を伺うと、その場の面子は口々に料理の味を賛美した。

 

「ロアーヌでは一応食事は宮廷料理人のものを食べていたけど・・・私はトーマスの料理のほうが断然好み。連中、凝って作りすぎなのよね。味、よく分からないもの」

 

 すっかりこの場の面子全員に砕けた口調で話し始めたカタリナが、宮廷では口が裂けてもいえないちょっとした愚痴を披露する。

 

「あ、確かにそういうのありますね。私も以前はお抱えの料理人でしたが、たまにお父様が作ってくださった素朴な手料理やシャールの作ってくれる料理ほうが、ずっと美味しく感じるんです」

 

 カタリナの言葉にミューズも反応する。サラは言わずもがな、という表情だし、ノーラはその食べる勢いが言葉の代わりであろう。シャールに至っては食べたものをじっくりと味わい、なにやらぶつくさと呟いている。今後の自分のメニューの参考にでもするつもりらしい。

 

「それはよかった」

 

 トーマスも満足そうに頷いてパンをかじる。大量に作ったはずの料理も、時が立つにつれてすさまじいスピードで減っていった。

 時刻はまだ昼を回ったというくらいであろうか。豪華なランチを終えた六人は、すっかり後片付けも終えてティータイムに突入していた。

 

「・・・それで、カタリナ。腹ごしらえも済んだことだし、そろそろ何があったのか話してもいいんじゃない?」

 

 紅茶を思いのほか上品に啜りながらノーラが切り出す。同じく紅茶を啜ってひと心地ついていたカタリナは、その言葉を受けて若干姿勢を正した。

 

「ええ・・・そうね」

 

 その言葉に、その場の全員がカタリナに注目する。カタリナはため息を一つついたあと、ゆっくりと口を開いた。

 

「結論から言うと、私、魔王殿のさらに奥にある場所で、アビスゲートを発見したの」

 

 いきなりの衝撃発言に、一同は驚愕の表情でカタリナを見つめた。そのままカタリナが続ける。

 

「・・・トーマスとシャールさんと別れて下層を探索にいって、玉座のある間まで行き着いたわ。そこでその後ろにある扉をあけ、中にあった転移方陣を通って、遺跡・・・みたいな場所に出たのね。その奥に、アビスゲートがあったの。これは間違いないわ」

「しかし・・・玉座の間までは私も行ったことがあるが・・・後ろの扉はどうあっても開かなかったはずだが・・・」

 

 シャールが疑問符を浮かべながら尋ねる。過去に近衛軍団でも幾度となく魔王殿の探査は行われたことがあり、玉座の間の後ろの扉は密かに開かずの間として団員の中では有名でもあった。

 それについてどう説明しようかと考えているカタリナに先駆け、ここで意外にもミューズが口を開いた。

 

「・・・おそらく、扉を開けたのはカタリナ様がつけていらっしゃるその指輪の力ではないかと思います」

 

 今度はカタリナも含めた一同が、ミューズに視線を向ける。

 

「カタリナ様のつけているその指輪・・・私の記憶が正しければそれは、王家の指輪と呼ばれる聖王遺物ではないかと思います。伝説によれば魔王殿の地下に眠る地のアビスゲートを封印した聖王様が、その封印の鍵として用いたのがその指輪であったとか・・・」

 

 まるで遠い昔を思い出すかのように、ミューズがゆっくりと喋る。その言葉を聞きながらカタリナは自分の右手につけられたその指輪をしげしげと眺めた。

 

「・・・確かに扉の一部にこの指輪をあてがったら、すぐに開いたわ・・・」

「カタリナ様・・・その指輪は何処で入手なされたのですか?私も王家の指輪という品の存在は聞いたことがあります。確か、聖都ランスに居を構える聖王様の血族の方々が所有しているという話だったと思ったのですが・・・」

 

 トーマスが紅茶を啜りながら聞くと、カタリナは目をぱちくりとさせた後に答えた。

 

「貰ったの」

 

 途端、ガクリと肩がこける一同。

 

「あ、いや、えっとね、魔王殿の下層を探索していたら・・・途中で見たことない格好と武具を持った少年に出会ったのよ。年は多分、サラと同じくらいかしら。それで声を掛けたらもう帰るところだーっていうからそのまま別れようとしたんだけど、すれ違った時になんかよく分からないことを言われて、それで手渡されたのがこの指輪だったの」

 

 指輪を眺めながら語るカタリナ。それを聞いてトーマスが思い出すように呟いた。

 

「ふぅむ・・・しかし私もあの後カタリナ様を追いかけて下層へと下りましたが、そのような人物は見かけませんでしたね・・・」

「私もその少年がどこに向かったかは、ちょっと分からないの。指輪を渡された瞬間意識が遠退いちゃって、気がついたらその場には私一人が指輪を握ってしゃがみこんでいたわ」

 

 紅茶と共に軽いスイーツをつまみながら、世間話程度に語る。すると横で話をずっと聞いていたノーラが砂糖を紅茶にかけ足しながら口を開いた。

 

「・・・で、それはいいけど、結局なんでそんな大怪我負う羽目になったのさ?」

 

 そうだそうだと再びカタリナに注目する一同。カタリナはその視線を受けて若干居心地の悪さを感じつつも、ぽりぽりと頭をかきながら答えた。

 

「アビスゲートのある部屋に入って・・・信じられないかもしれないけれど、そこで私、魔戦士公アラケスと闘って・・・負けたから」

 

『ぇぇえええ!?』

 

 全員が驚愕しながらカタリナを凝視する。よくよく考えてみればカタリナ自身としても今では信じられないような出来事であるが、間違いなくそうであるはずだ。

 

「アラケスって・・・四魔貴族のあのアラケスだよね・・・?うちの工房の初代と聖王様が聖王の槍として鍛えなおす前の魔槍を持っていた、あのアラケスだよね・・・?」

 

 ノーラはあまりの衝撃に、砂糖の入った小瓶を自分の紅茶のカップの上で逆さにしたままだ。

 

「・・・いや、しかし我々が見たあの瘴気の渦を思えば・・・確かに魔貴族級の存在でも関与していなければ説明もつきません・・・。が、とにかくすさまじい話です・・・」

 

 トーマスも流石に動揺を隠せないようだ。

 

「カタリナ様凄い!!アラケスってどんな姿だったの?」

 

 サラが目を爛々と輝かせながら身を乗り出してくる。カタリナは魔神の容姿を思い出すように説明してみた。

 

「でかかったわね・・・。三メートルくらいはあったんじゃないかしら。まるで窯から出した直後みたいな燃え盛る真紅の槍を持っていて・・・巨大な双頭の獣を従えていたわ。その獣は倒せたんだけど・・・」

「その獣というのは・・・片方の頭が片目を失った獣だったか?」

 

 シャールがあの時の光景を思い出しながら質問すると、カタリナはゆっくりと頷いた。

 

「元々は両目あったけど・・・私が片方貫いたのよ。首を刎ねたと思ったけれど・・・さっきトーマスがいっていた私を運んだ獣っていうのはシャールさん達も見たのなら多分あいつね・・・」

 

 カタリナは嘆息しながら語った。結局自分はあの場において何も成せなかったと思うと、自分が情けないばかりだ。

 

「しかし・・・そんな話を聞くと、よくあんた生きていたよね・・・。魔貴族と一騎打ちでしょ?あの聖王様だって、聖王十二将と一緒に魔貴族を討伐したっていうのに」

 

 ノーラは興奮気味の様子で喋った。その言葉にはカタリナは苦笑するしかない。

 

「負けてしまった以上、生き残れたのはアラケスの・・・言葉通り、戯れなんでしょうね。本来ならば死んでいたわ・・・それに」

 

 そのときを思い出すように、カタリナは自らの手を見つめながら言葉を続けた。

 

「それに、あの時確かに・・・私には、この身が知るべくも無い戦闘技術が私の中に流れ込んできていたの。なんとか戦えたのも、そもそも私の実力ですらない・・・」

 

 戦いの最中で繰り出した、いくつもの自分が知らない技法を思い描きながら語る。

 いや、正確にいえばもう、あの時の戦闘技術は体が熟知してしまっている。魔王殿に入る前と帰ってきた今では、カタリナの戦闘力は比べ物にならぬほどの違いがあるだろう。

 

「それも・・・王家の指輪の力なのでしょうか・・・」

 

 カタリナのつけた指輪を眺めながらミューズが口を開いた。

 

「・・・多分、そうなのかもしれないわ。魔王殿の地下は凄く大きな回廊だったけれど・・・初めての場所だというのに私は迷うこともなくアラケスの元まで直進したわ・・・。この指輪の記憶が流れ込んだ・・・っていうのが一番それっぽい説かしらね」

 

 呟くように天井を見上げながらカタリナが言うと、シャールが佇まいを直してカタリナに話しかけた。

 

「なにやら途方もない話だが・・・とにかく無事でよかった。なにより、再度の謝罪をさせてくれ。我々に協力してもらった結果がこのようなことになってしまい、本当に申し訳ない」

 

 頭を下げるシャールに、カタリナはとんでもないと首を振った。

 

「そんな、私こそ全然役に立てなくってこの体たらくで迷惑のかけっぱなしでもう・・・。おまけにこんなに美味しい料理も食べさせてもらっちゃって・・・」

 

 どうやら二人の料理をカタリナは相当気に入ったようだ。自分が怪我人であったということも忘れて、常人の二倍近い量を一人で平らげてしまっていた。

 その様子をみてトーマスがうれしそうに笑う。

 

「・・・まぁ、今はとにかく無事に目が覚めてよかった。ゴンやミッチもまた二人に会いたがっている。今度機を見てまた寄ってくれ。その際には、この間の話の続きも出来よう」

 

 そういうとシャールはゆっくりと立ち上がった。それにあわせてミューズも立ち上がる。

 

「旧市街に残してきた子供たちが心配だ。私達はそろそろ失礼するよ。何かあったら何でも言ってくれ。協力は惜しまない」

「お食事、ご馳走様でした。トーマス様もカタリナ様も、近いうちにまたきてくださいね。それでは、皆様お元気で」

 

 そういい残すと、二人はいつの間にか現れた執事の老人について屋敷を後にした。

 

「・・・そういえば、何か聖王遺物に関して情報ってでたの?」

 

 その二人の背中を見送りながら、思い出したようにノーラが言った。

 

「うーん、それがね・・・赤珊瑚が南方の特産物っていうのとジャッカルっていうのが昔いた海賊の名前じゃないか、っていうのはトーマスから聞いたんだけど、その他は特にそれらしい収穫はなかったかな・・・」

 

 紅茶を一口啜りながらカタリナが唸る。

 

「その手がかりの一端を求めてミューズ様とシャール様の元を訪れたのですが、やはり聖王遺物の行方に直結するようなお話はありませんでしたしね・・・」

 

 トーマスもその様子をみながら眼鏡の位置を正す。そんな二人の様子を見ながらサラは何事かと疑問符を浮かべていた。

 

「みんな、探し物・・・?聖王遺物?」

「そ。ちょっと宝探しをしててね。サラ、なんか知らない?聖王遺物のこと」

 

 背伸びをしながらノーラが冗談っぽく口走る。するとサラは少し考えた後、思いついたように口を開いた。

 

「私は知らないけれど・・・聖王遺物だったらやっぱり聖都ランスかな。あそこには聖王遺物が結構あるらしいってハリードさんが言っていたもの」

 

 得意げに語るサラの言葉に、トーマスとカタリナが顔を合わせる。

 

「あの失礼な男が・・・?マジで宝探しでもしているのかしら・・・」

「いえ・・・ああ見えてハリードさんは思慮深い方です・・・。確かになにかいろいろご存知ではあるかもしれませんね」

 

 だがそれも決定的な情報にはならない。第一ハリードがいま何処に居るのか分からない以上は、彼の知る情報を聞くこともままならないのだ。それに聖王遺物といっても、カタリナとノーラが捜し求めているのは奪われてしまった二品のみ。正直その他に関してはどうでもよかった。

 

「・・・ただ、これ以上の聖王遺物に関する情報を求めるならば、一度ランスには赴いてみたほうがいいかもしれませんね」

 

 紅茶を啜りながらトーマスが呟く。カタリナがその真意を問うような視線を向けると、トーマスは少し陰りのある表情をした。

 

「カタリナ様が巨獣に連れられて我々の前に現れた時、巨獣から聞こえてくる声がこういいました。これは我が現界するまでの戯れにすぎぬ・・・と。つまりその言葉がアラケスのものであるならば、近いうちにアビスゲートが開く、ということなのではないかと思うのです」

 

 その言葉を受けて、カタリナも考え込んだ。

 

「・・・たしかに、そのままの意味で考えればそう受け取れるわね・・・。それだとつまり・・・また、伝説に残る三百年前のような事態になりうるということ・・・?」

 

 あまりにも話が大きすぎて正直カタリナには想像がつかなかった。だが、それが実際に起これば間違いなく自分たちにも多大な被害が出る。なにせ彼女の住むロアーヌはすぐ南方に四魔貴族の一人である魔龍公ビューネイの住処と目されるタフターン山があるのだ。

 

「可能性は否定できません・・・。いえ、アラケスがそういった以上、むしろ可能性は高いのかもしれません・・・。ゆえにそれを我々が知りえた以上、ランスにおられる聖王家の方々にはお伝えなくてはならない・・・。それに、今カタリナ様の持つその指輪も、元は聖王家にて保管されていたはずのもの。その少年とやらの正体も気になりますし、それについても伺ったほうがよろしいかと思います」

 

 カタリナは自分の指にはめられたその指輪を見ながら考えた。確かにこの指輪は、聖王に連なる品なのだろう。ここまで自分の中に劇的な変化をもたらし、さらには記憶も見てしまった以上は否定の余地はない。となれば確かに、持ち主に返すのが道理であろう。

 

「そうね・・・。じゃあ、次の目的地はランスね。ごめんね、ノーラさん、ちょっと出かけてくることになりそうだわ」

 

 カタリナがノーラに向き直ってそういうと、ノーラはゆっくりと首を横に振った。

 

「何も謝る必要なんてないよ。行ってきな。なんだか話が大きすぎて私にはよくわかんないけど、なんかそっちの話題も放っておいたらやばそうだしね。私は私でなにか情報を探しておくよ」

「情報に関しては私も最大限お手伝いさせていただきますよ、ノーラさん」

 

 トーマスがそう名乗り出ると、ノーラはうれしそうに笑った。

 

「そいつは助かるよ。こんなに心強い味方が出来てうれしいかぎりさ」

 

 すると、脇で黙って話を聞いていたサラも手を上げた。

 

「私も、私もなにか手伝うわ!」

「お、そうかい?じゃあサラにもたのんじゃって・・・いいの?」

 

 サラの言葉に対して軽快に答えたノーラがトーマスに聞く。するとトーマスは苦笑しながら頷いた。

 

「わかった。サラにも手伝ってもらうことにしよう。では私は情報の収集に努めます。そうだな・・・サラは主にレオナルド工房との連絡員として動いてもらえないか?」

 

 トーマスがそういうと、サラは勢いよく頷いた。

 

「よし、そうなれば話は決まりだ。私も一端戻ってケーンの様子でも見てくることにするよ。カタリナはしっかり体を休めてからランスに行くんだよ。また連絡をおくれよ」

 

 そういってノーラも立ち上がった。一緒にサラも立ち上がり、ノーラを出口へと見送っていく。

 

「・・・ごめんなさいね、トーマス。貴方にここまで迷惑をかけることになってしまって」

 

 ノーラを見送った後にカタリナがトーマスに頭を下げる。するとトーマスはいたずらっぽく笑いながら答えた。

 

「カタリナ様が長くロアーヌを離れてはモニカ様が悲しまれる、とミュルスで言ったじゃないですか。それだけで、お手伝いする理由には十分ですよ。それに・・・ミューズ様に会うことで私は正直このピドナでの遊学の最大目的が為されました。ですので、あとは見聞を広めるくらいしかすることもないです。そこに今回のような件。私個人の興味としても、是非ともお手伝いをしたいのですよ」

 

 そういって上品に笑うトーマスをみて、カタリナは素直に礼を述べた。

 

「さて、そうなればカタリナ様は一刻も早くお怪我を完治させなければなりません。あの部屋はピドナにいる間はご自由に使っていただいてかまいませんから」

 

 トーマスの至れり尽くせりの対応に、カタリナは再度感謝の言葉を述べずにはいられなかった。

 その日はノーラを送りに行ったサラが帰ってくるのを待って、再びベッドで休むことにした。

 

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第二章・目次